百合の花,かずら
燈火(あぶらひ)の光に見ゆる我が縵(かづら)早百合の花の笑まはしきかも これは、越中に赴任した大伴家持が招かれた宴の席でよんだ歌です。その当時、植物には神秘な力があるとされていました。また揺れる物には動かない物(死んだもの)にない力があるとされていました。百合に「さ」という聖なる物(神様を含めて)を表す接頭語をつけたのはそのためです。 油火の光にゆらゆら輝いて見える あなたにもらった私の花縵 そのさゆりの花のなんとも微笑ましいことよ 植物に聖なる力を見いだすとともに儚さを尊び、それを花葛にして宴席でもてなす客に贈る。それが油火の光の中でゆれている。なんと豊かな感性の触れ合いでしょうか。現代では、男性が男性に花を贈ることはなくなりましたが、こんな形なら現代でも喜ばれるのではないでしょうか。 関連実験(あわせて、こちらもどうぞ) 花を染めて遊ぼう 草花をもむ,つぶす,しぼる オニユリの風船で遊ぶ ヒカゲノカズラで髪飾りを作ろう
生活 | 五官 | 感性 | 684 | 春夏
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野原; |
やさしい
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少ない
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